担当教員:梶ヶ谷 博 教授
山本 俊昭 講師


野生動物の生き様(ざま)と死に様(ざま)を科学としてとらえようとする研究室です。従って、野生動物にまつわる形態的適応戦略の解析や事故原因の解析、生態学的解析、遺伝的な解析などが研究の中心となっています。しかし、一方で現代の地球にある限り、野生動物には人間活動が強く影響しているため、研究室の研究内容にも必然的に野生動物の保護管理計画の在り方や野生動物の保護保全論などが含まれます。そうした意味から、私たちの研究室では野生動物の様々な側面を自然科学として解明すると同時に、常に人間活動の在り方にも考えを及ばすよう心がけています。

研究テーマは保全鳥類学分野と動物生態学分野に二大別されます。前者は野鳥のバードストライクの原因解明と防止対策を中心としたものです。後者では様々な動物を対象にして野外調査を行うとともにDNA解析や地理情報システム(GIS)による分析結果を用いて人間活動による影響評価に取り組んでいます。


●現在行っている研究テーマの例【平成20年度 関連卒業研究テーマ】


1)鳥の野外事故例を対象とした事故発生の原因とメカニズムの解明
  1. 野鳥保護施設における保護時の情報の信頼性ならびに情報解析の意義
  2. 死亡傷病鳥の剖検例からみた外傷の発生機転の推定
  3. 野鳥の骨格における計測値の意義について. 特に年齢区分に関する考察
  4. 野鳥の衝突時の損傷程度に鳥の飛行速度と体重が及ぼす影響


2)ツキノワグマの毛を用いた個体数推定方法の開発
  1. 青森県に生息するツキノワグマのミトコンドリアDNA解析
  2. 青森県に生息するツキノワグマ個体群の空間的な血縁構造
  3. 青森県下北半島におけるツキノワグマ個体群の遺伝的特性
3)GISを用いたツキノワグマの土地利用について
  1. 里山に生息する雌のツキノワグマの行動特性
  2. ツキノワグマによるゴミ箱被害地の周辺環境


4)アカウミガメにおける産卵環境選好性について
  1. 静岡県御前崎海岸におけるアカウミガメの微生息環境の選好性
  2. 静岡県御前崎海岸における砂浜形状の変化とアカウミガメ産卵数の関係
5)サクラマスの性比に関する研究
  1. サクラマスにおける雄親による子の性比への影響

●平成21年度の学生数

学科/大学院学年人数
獣医学科6年2
5年2
獣医保健看護学科4年8
3年14
獣医保健看護学科 大学院修士1年2